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日々の出来事や考えをつらつらと書く外資系企業事業開発担当のブログ

甲子園で大旋風を巻き起こした「金足農業高校現象」から学ぶマーケティング

準優勝「金足農業高校

今年は、第100回目の全国高等学校野球選手権記念大会でした。

そんな中、今大会話題持ちきりだったのが秋田県代表「金足農業」。

高校野球を見ていなかった人でも一度はTVCMや会話などで聞いたことがあるのではないでしょうか。私も高校野球の情報を欠かさず見るようにしている人の1人でした。

 

ただ、そんな中でふとした疑問が…

なぜここまで「金足農業高校」が取り上げられ、話題になっているのか。

これを紐解くことによって、企業ブランディングの解の一つが見えるのではないかと思いました。

 

優勝までの軌跡

 

先ずは、直近1週間での「金足農業高校」というキーワードに対しての注目度を見ていきます。

直近1週間の「金足農業高校

 

①最初の8/17の一つ目の山

この日は松坂大輔選手も輩出した強豪校「横浜高校」との1戦です。序盤から点を取られ、追いついては点差を広げられというハラハラの展開に観戦していた人は手に汗を握っていました。そんな中、8回裏にドラマが起きました。逆転3ランを決め、勝利を収めたのです。

そのシーンがこちら。

youtu.be

 

②8/18の二つ目の山

この日は近江高校との準々決勝の日でした。この日、目を疑うような逆転劇をまた見せました。近江高校に1点リードされた9回裏最後の攻撃。金足農業高校がノーアウト満塁から2ランスクイズを決め、逆転勝利を収めたのです。

そのシーンがこちら。

www.youtube.com

③8/20の三つ目の山

 8/20は日大三高との準決勝の日。TVなどでも話題になっていた通り、東北勢は一度もまだ優勝旗を持って帰ったことがありません。そんなプレッシャーの中、日大三高に勝利し、第1回大会以来の103年ぶりの決勝進出を決めました。

今までの逆転劇で勝ち進んできた中、「この勢いで優勝するんじゃないの?」という期待感を誰もが抱いたのは疑いの余地もありません。

④8/21の四つ目の山

あまりニュースなどでは取り上げられておりませんが、吉田投手には独特なルーティーンがありました。それは“侍ポーズ”と呼ばれていました。

www.youtube.com

こちらのポーズですが、高野連から禁止令が出ていたのです。威嚇行為・時間短縮が理由とされていました。そんな禁止令が出ていた準決勝では、控えめにやっていたのですが、決勝では侍ポーズ見せてくれました。

 

そういった高校野球ファンをくすぐるような見所があったことも要因となったと考えています。

 

参考までに今話題の映画「カメラを止めるな」とのトレンド比較を載せておきます。

 

 

次にエリア別に見ていきましょう。

 

 

 

 こちらで見ていただくとわかる通り、金足農業高校の所在する秋田県での人気ぶりが群を抜いていることがわかります。これは相対比較のため、他の県では全く人気ではないようにみえがちですが、毎日のようにニュース番組で取り上げられ、ネットニュースでも話題になっていることを考えると認知度は非常に高いニュースと想定されます。

ブームを作り出したポイント 

本題のこのブームを巻き起こしたポイントの整理をしていきたいと思います。

上記に記載した流れを元に要因を整理すると4つのポイントがあるのかなと思います。
*こちらはあくまでもマーケティング視点で記載しているため、事例に関しては実際に意図して行われたものかは問わない形になっております。

  1. インフルエンサーの参画が見込めるか

     あくまでも一例ですが、AAB秋田朝日放送公式Twitterでは、近江高校との2ランスクイズが決まった後のツイートです。勝利の嬉しさのあまりいう言葉を失っています。SNS上で地元企業公式アカウントが話題に挙げていることで、輪がどんどん広がったと考えられます。

    また、全国に約50店舗を構える薄利多賣半兵ヱ金足農業高校・全国の応援してくださった皆様への感謝の気持ちを込めた全品無料キャンペーンを実施していました。

    headlines.yahoo.co.jp

     

  2. マスマーケティングでのイメージ作り
    逆転劇で勝ち進み、あと一歩のところで惜しくも優勝を逃してしまったというドラマようなストーリーがもちろん土台にはありつつも、金足農業高校の独特な校則や9人で勝ち上がってきたというサイドストーリーが生み出せる要素が多くあることでニュースに取り上げやすいという面が出てきた可能性があります。

  3. コアファンが盛り上がる仕組みの用意
    横浜高校近江高校の試合で見せた強豪校相手に見せた逆転劇・秋田県勢の快挙・侍ポーズなど野球ファンが思わず唸るような見所があったことが大きな要因かと思います。

  4. 既存のブランドの派生
    高校野球という一種のスポーツカテゴリーがすでに確立されている中での、展開だったため、すでにファンは定着している中で「逆転劇を続ける注目校」という形でマスメディアの目に止まったというのも大きな要素かと思います。

 

最後に

毎年様々なドラマが生まれる高校野球。来年はどのようなドラマが見えるのか楽しみで仕方ありません。